【写真】革命軍による処刑【ピューリッツァー賞】

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アンドリュー・ロペス(UPI通信 ”革命軍による死刑(Rebel Firing Squad Execution 1960年

1959年1月17日、カメラマンのアンドリュー・ロペスはカストロの実現しようとする正義の実態を撮影する為、キューバのマタンサスにあるサン・セベリーノ城にいた。この城はバティスタ大統領の率いる軍の基地であったが、1月1日以降はカストロ率いる反乱軍の支配下になっていた。ロペスはこの城に特派員団として潜り込み、今から行われる処刑の瞬間を狙っていた。
処刑されるのは通称ペペ・カリエント(熱いペペ)と呼ばれたバティスタ軍の伍長だった男である。この男は様々な悪事により、多くの民衆から憎まれていた。その民衆がペペから受けた被害を訴える為に城の外まで行列をつくるほどであった。そして裁判は混沌の騒音の中で進み、ペペは処刑されることとなる。
処刑が行われる城の中庭でロペスは決定的瞬間を逃すまいとカメラを構えていた。ロペスの目の前でペペは牧師から最後の言葉をもらい、小さく十字を切った。その瞬間をフィルムに収めたロペスだったが、裁判で検事を務めたウィリー・ガルベスに写真撮影を禁止され、カメラを没収されてしまう。しかし咄嗟に機転を利かせたロペスは、没収されたカメラからフィルムを抜出し、別のフィルムで隠ぺいした。間もなく特派員たちは城を追い出され、フィルムを持ったロペスは本国に戻ったのである。

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