【写真】アンドレの靴底【ピューリッツァー賞】

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ウィリアム・H・ギャラガー(フリント・マガジン ”アンドレの靴底(Adlai Bares His Sole 1953年

 

撮影した年、アメリカでは大統領選挙の真っ只中であった。候補者は元軍人で戦後の英雄ドワイト・D・アイゼンハワーと知的かつ雄弁な官僚アンドレ・スティーブンソンであった。カメラマンのウィリアム・H・ギャラガーは労働の日(9月の第一月曜)に行われるアンドレの演説を写真に撮るためフリントの町に向かった。フリントは労働者の町であり、アンドレは労働者びいきの候補者であった。
ギャラガーが演説の舞台に近づきカメラを構えた時に、ちょうどアンドレが演説用のメモを見ながら足を組んでいた。この時にギャラガーは、酷使されたアンドレの靴の底に穴が開いていることに気付いた。ギャラガーは周りに気付かれぬようにカメラだけを床に置きシャッターを押した。そしてその写真を次の日の1面に公開した。
この写真を見て多くの人から共感を得たが、アンドレはこの年の大統領選に敗れてしまう。その後、アンドレはこの写真にサインをしこう書き添えた「ウィリアムへ。全然ホーリー(聖人)ではない候補者より」(ホーリーは英語のホール=穴とかけている)

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