ウィリアム・C・ビール（ワシントン・デイリー・ニュース） ”無垢の信頼（A Child’s Trust and Faith）” 1958年
1957年9月10日、ワシントンのチャイナタウンで新しいビルの祝賀パレードが行われていた。カメラマンのウィリアム・C・ビールはパレードで行われる華やかな出し物をカメラに収めようと構えていた。獅子が舞、爆竹の音が鳴り響く中国式のパレードのすぐ傍でモーリス・カリナン巡査はいつも通り警備を行っていた。
パレードを見る観衆のなかに２歳のアレン・ウィーバーもいた。アレン君は好奇心のあまり縁石を乗り越えて通りに出ようとしていた。その様子を見ていち早く危険を察知したカリナン巡査は、アレン君に近づき丁寧に危険を説明した。アレン君も巡査の言葉に耳を傾けて真剣に説明を聞いていた。
この２人の光景を見たビールは急いでカメラを構え、シャッターを押していた。「良い写真が撮れた」と思ったビールは新聞社に戻り、この写真を編集者に渡した。新聞社はこの写真を幾つものコンテストに出品し、数々の賞を受賞することとなった。
