【写真】戦争の傷跡【ピューリッツァー賞】

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デービット・ヒューム・ケナリー(UPI通信): “戦争の傷跡(US Soldier Approachs a Vietcong Bunker)” 1972年 特集部門

ベトナム戦争を伝えた写真は数多くピューリッツァー賞を受賞した。この作品もカメラマンの命がけの取材の成果が写し出されている。デービット・ヒューム・ケナリーはオレゴンの新聞社で数年間仕事をして、1966年からUPI通信で働き始めた。彼はその後、ベトナムへ派遣され取材を行った。
ケナリーは北ベトナムへ向かい、アメリカ軍の部隊と共に行動していた。その最中に1人の兵士が用心深くベトナム軍の土嚢に近づこうとしていた。ケナリーはその瞬間をカメラに収めていた。
この写真がピューリッツァー賞に出品された時、多くの評価を得た。それは10年以上続くベトナム戦争の閉塞感や成果の上がらぬ憤り、政府と民衆の意識の隔たりを端的に表現していたのである。この写真が他の多くのベトナム戦争の写真と違うのはこのアメリカ人の心理的な部分を見事に表現ている点である。

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