【写真】回想の時、戦争の犠牲者【ピューリッツァー賞】

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ロビン・フッド(チャタヌーガ・ニューズ・フリー・プレス紙): “回想の時、戦争の犠牲者(A Moment of Reflection, The Personal Sacrifice of War)” 1977年 特集部門

ベトナム戦争は終わったが、戦いの記憶は兵士の身体に刻まれていた。ベトナム帰還兵エディ・ロビンソンもまた多くの犠牲者の一人であった。彼はベトナムで両足を失い、帰国後は車いすで生活することになった。
5月の第3土曜日の三軍統合記念日にベトナム帰還兵を含む退役軍人を讃えるパレードが全米で行われた。この行事を取材しようとカメラマンのロビン・フッドはチャタヌーガのパレードに参加した。フッドもまたベトナム帰還兵であり、軍人の心境を良く理解した一人であった。パレードには多くの民衆が集まり、国旗を振る者が見えたが、この中の何人が戦争の代償を知っているだろうかフッドには疑問であった。
取材を進めていたが、納得のいく写真が撮れず彷徨っていたフッドに帰還兵ロビンソンの姿が目に留まった。ロビンソンは自分の膝に小さな我が子を座らせ、悲しげにパレードを見つめていた。彼は戦いの傷跡に苦しみながらも尚、前を向き必死に生きていたのである。フッドはロビンソンの姿を見て戦争の象徴になると思いシャッターを押した。

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