アンソニー・ロバーツ(フリーランス、AP通信) “ハリウッドでの死のドラマ(Fatal Hollywood Drama)” 1974年 ニュース速報部門
事件はハリウッドで起こった。安売り店の駐車場を歩いていた23歳の女性エレン・ジェルドンは突然見知らぬ男エド・フィッシャーに掴まれて地面に叩きつけられた。彼女は悲鳴を上げ、逃れようとしたが男の力は強く引きずられるように連れ去らわれようとしていた。
近くを巡回していた警備担当のジョージ・ダービーは女性の悲鳴を聞き現場に駆け付けた。ダービーはジェルドンを解放するように警告したが、フィッシャーはナイフをジェルドンに突き付けて抵抗した。2度同じやり取りをしたがフィッシャーに開放する意思がないと悟ったダービーは、ナイフがジェルドンの首に伸びる瞬間に発砲した。銃弾はフィッシャーの頭部に命中し、フィッシャーは死亡した。この間15分程度であった。
カメラマンのアンソニー・ロバーツは女性の悲鳴を聞いて乗っていた車から降りて事件の現場に駆け付けた。彼は安全な位置で事件の一部始終を見守りながらシャッターを何度も押していた。彼の写真は一連の流れを正確に記録し、世界の人々へと配信された。