【写真】英雄の帰国【ピューリッツァー賞】

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サル・ビーダー(AP通信): “英雄の帰国(Return of an American POW)” 1974年 特集部門

長く続いたベトナム戦争も終わりに近づいていた。戦地で勇敢に戦い捕虜となった兵士は開放され1973年の2月と3月に北ベトナムから600名が帰還する予定だった。カメラマンのサル・ビーダーは同僚のウォルト・セボウスキと共にベトナム戦争を取材していたが帰国し、ベトナム戦争の英雄達の帰国を取材していた。
1973年3月17日、アメリカ空軍のパイロットであるロバート・スターム中佐がアメリカへ帰国した。彼は北ベトナム上空で撃墜され5年間を捕虜収容所で過ごした。彼の帰国には妻と4人の子供が駆け付けた。家族全員はトラビス基地の滑走路で英雄の帰国を待ち、その横でビーダー達も感動の再開をカメラに収める為に準備していた。しかし、〆切に追われていた取材の為、片方が撮影している間にもう片方は各新聞社とテレビ局に配信する為に準備しなければいけなかった。ビーダーとセボウスキはコインの裏表で役割を決め、見事ビーダーが撮影の役割を勝ち取ったのである。
スターム中佐は自らが運転した飛行機から降りて家族に見守られながらアメリカの同胞達に向けスピーチをした。スピーチが終わると待ちわびていた家族がスターム中佐に駆け寄っていた。その瞬間をビーダーは逃さずシャッターを押していたのである。

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