『鎧を着けたフェリペ二世の肖像』 ティツィアーノ

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『鎧を着けたフェリペ二世の肖像』 作者:ティツィアーノ・ヴェチェッリオ

【絵画データ】
1550-51年作
油彩・カンヴァス
193cm×111cm
収蔵場所 プラド美術館(スペイン・マドリッド)

 


フェリペはティツィアーノにとって晩年の最も重要なパトロンであり、1550-51年に小旅行した際にこの作品を描いている。ティツィアーノはこの全身画を描くにあたって、貴族特有の傲慢さを少しでも払しょくしようと努めている。フェリペ二世は鎧に身を包み、右手で装飾品に触れているが、どことなく威厳の薄れた顔が、その備品を完全に支配することなく見えてしまう。これは彼が今からスペイン王になっていく過程であることを示すと共に、傲慢さを幾分か薄めている。

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