『裸婦習作(縫い物をするシュザンヌ)』 ゴーギャン

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『裸婦習作(縫い物をするシュザンヌ)』 作者:ポール・ゴーギャン

【絵画データ】
1880年作
油彩・画布
115cm×80cm
収蔵場所 ニイ・カールスベルク・グリプトテク美術館(デンマーク・コペンハーゲン)

 


ゴーギャンの最初期の作品。裸婦が縫い物をする場面だが、腹がたるみ尻には肉がついている。絵画のオーソドックスな女神像や理想の女性像とはあまりにもかけ離れたモデルを描き、現実的でありのままを表現している。作家ユイスマンスは以下のような批評を述べている。
「ここに描かれる人物は現代の娘、それも出品用にポーズをしていない娘である。淫らでもなければ気取ってもいない。ただ裁縫に没頭している姿なのだ。しかも娘の肌は一点の染みも無いような滑らかな肌でもなく薔薇色に輝くわけでもない。腹は垂れ、深い皺がよる真実の姿だ。石膏像の模写で学んだ手法でアカデミックにモデルを描く画家に嫌悪感を覚える私にとって、この画家を喝采できることは真に幸いである」
当時の美術家は理想的な人間を描いた絵に慣れ過ぎて、当たり前の絵が非常に新鮮に映ったのかもしれない。

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