『聖母子(ジプシー聖母)』 ティツィアーノ

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『聖母子(ジプシー聖母)』 作者:ティツィアーノ・ヴェチェッリオ

【絵画データ】
1510年作
油彩・パネル
66cm×83.5cm
収蔵場所 美術史博物館(オーストリア・ウィーン)

 


ジョヴァンニ・ベリーニによって開発されジョルジョーネによって発展した絵画手法にのっとり制作されている作品。当時ティツィアーノの主要な題材は上半身の聖母像であり、この絵もまた聖母を主題として描かれている。しかし、通例のまま描かれているように見えるが、所々にティツィアーノの独自性が隠れている。彼は、中央的な構図を避け、定石なら中央の聖母に対し両側に背景を描くところを片側に意図的な背景物をおいている。また背景にかかる聖母の布は後ろにスッと垂れているのが普通だが、あえて身体全体に纏わせ膨らみをだしている。このような意図的な操作がティツィアーノ絵画の特徴を形成している。

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