【写真】非常用バルコニーの崩落【ピューリッツァー賞】

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スタンリー・フォアマン(ボストン・ヘラルド・アメリカン紙 “非常用バルコニーの崩落(A Woman and Child Fall from Rescuer’s Grip)” 1976年 ニュース速報部門

1975年7月22日、ボストンのサウス・エンドで火災が発生した。出火元はビルで中に取り残された人がいた。消防車が駆け付け消火活動と救出活動が行われていた。カメラマンのスタンリー・フォアマンはオフィスで警察無線を聞き、火災現場に向かった。フォアマンが現場に着くと火事の現場に近づくために手ごろな車を探しよじ登り、3メートル高い位置でカメラを構えた。
非常用バルコニーに女性と子供が取り残されていた。その少し前に屋上から降下して残された2人の横へ降りた消防士がいた。消防士と女性と子供の3人が乗った非常用バルコニーに救出用のはしご車が伸びている途中、悲劇は起こったのである。バルコニーが甲高い音をあげて建物から離れ、乗っていた3人と共に落下し始めたのである。その瞬間を連射して撮影していたフォアマンは落下寸前で顔を背けて最悪の状況を想像した。彼がもう一度振り返ると、消防士はギリギリのところではしごを掴んで落下を免れていたが、女性はそのまま落下して死亡した。すぐ後に落下した子供は女性の上に落ちたことで一命を取り留めたのである。
フォアマンの写真はこの時の緊張の場面をしっかりと写しており、ヘラルド・アメリカン紙に大きく掲載された。この写真は多くの人の目に留まり、この悲しい事故を世界に発信した。

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