【写真】最後の祈りを捧げる神父【ピューリッツァー賞】

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ヘクター・ロンドン(カラカス誌・ベネズエラ ”最後の祈りを捧げる神父(Aid from the Padre 1963年

1962年6月4日、ベネズエラのプエルトカベヨでは500名の海兵隊員が海軍基地を占拠し町を占拠した。当時、ラテンアメリカでは革命が流行し、政府と革命軍の抗争があちこちで起こっていた。プエルトカベヨの海兵隊員も新憲法に反対し政府との激しい戦闘を始めたのである。
カメラマンのヘクター・ロンドンは政府の鎮圧部隊に同行し戦場の状況を撮影しようとしていた。しかし、戦闘はあまりにも激しく、飛交う銃弾から逃げる為に壁を這い写真を撮ることもままならない状況であった。その時、ロンドンの目の前で一人の神父が戦場の真ん中に歩み出て死にかけた兵士に祈りを捧げたのである。そして銃弾の飛交う戦地で一人一人に祈りを捧げていく神父をロンドンは無我夢中で撮影したのである。この時、ロンドンはどのようにカメラを向けたのか覚えていなかった。
この戦いは2日間続き、戦闘した両軍の死者は合わせて200名、負傷者者1000名であった。後に分かった神父の正体はベネズエラ海軍の従軍司祭であるルイス・パディリャ神父であった。

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