【作品一覧】マリア・ジビーラ・メーリアン

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マリア・ジビーラ・メーリアン(Anna Maria Sibylla Merian、1647年4月2日 – 1717年1月13日)は、ドイツ生まれの、植物や昆虫などを詳細に描いたイラストで知られる画家で、自然科学者でもある。


【概要】
メーリアンはスイスで人気の高い版画家マテウス・メーリアンとオランダ人の母の間に生まれた。しかし、父マテウスはメーリアンが生まれて3年後に死去し、母は画家ヤコブ・マーレルと再婚した。このような家系の元で幼い頃から絵画に興味を持ち、13歳の時には虫と植物をテーマにした水彩画を描いていた。

その後、メーリアンの興味は植物や昆虫に傾倒し、自然科学者への道を歩み始める。彼女は200種類近い蝶や蛾を自ら飼育し、その成長過程をつぶさに観察した。その際に、幼少の頃より鍛えた絵の才能を生かし、多くのスケッチを描くことになる。

彼女が本格的に標本の制作を行ったのは50代を過ぎた頃で、当時のオランダ植民地であった南米スリナムの昆虫標本がきっかけであった。スリナムの昆虫標本に触発されたメーリアンはアムステルダムからスリナムに移り、2年かけて昆虫や鳥類、植物などの調査を行った。その後、帰国した彼女は4年かけて60点あまりの大型図版に解説を添えた「スリナムの昆虫の変態」を制作した。

彼女の昆虫図鑑は確かな研究・観察の元、色彩豊かな絵によって人気を博し、一躍有名学者の一人となった。しかし、家計は上手くいかず、夫婦関係は破綻してしまう。晩年は精神的な安定を求めオランダ北部に移り住んだが、再びアムステルダムに戻り最期を迎えた。

 

【作品一覧】
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『蛾の一生』 スリナム産昆虫変態図譜から 1705年作

ルイーズの主な主題である野菜と果物。彼女の最大の特徴は、静物に対しての色使いにある。果物の赤・黄と野菜の緑の色彩が見事である。また光の感覚に敏感で、艶やかさや水々しさを描くのに長けている。
題材の描き方もさることながら、構図、静物の位置関係のバランスの良さも伺える。人物画の様な表情の表現がない代わりに、対象の置き方、色のバランスへの配慮とセンスがずば抜けている。写真でも成立するような美しい題材に彼女の画才が重なることで作品に深みが出ている。

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ウルシ科のタマゴノキ スリナム産昆虫変態図譜から

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パロットチューリップ、オーリキュラ(ア ウリクラ)、アカスグリ。昆虫はスグリシロエダシャクの成虫・幼虫と蛹

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『昆虫のスケッチ』 Erucarum Ortusから

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スリナム産昆虫変態図譜から

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『鳥を捕らえた蜘蛛の絵を含む版図』 スリナム産昆虫変態図譜から

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水棲植物と昆虫

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パイナップルの木と網翅目

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ビワハゴロモの一生

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