【作品一覧】ソフォニスバ・アングイッソラ

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『自画像』(1556)
ソフォニスバ・アングイッソラ (Sofonisba Anguissola、Anguisciolaの綴りもある。姓はアンギッソラと表記することもあり。 1532年 – 1625年11月16日)は、イタリアのルネサンス期の女性画家。


【概要】
ソフォニスバ・アングイッソラはヨーロッパで最初に有名になった女性画家と言ってよい。彼女が生きた時代は、ダヴィンチやラファエロは既に亡くなった後で、ミケランジェロが全盛を極めていた。当時の画家の世界は世襲が多く、有名な画家の子や弟子が活躍していくような時代であった。ソフォニスバは貴族の家系に生まれ、他の4人の姉妹と共に様々な習い事をさせられた。音楽やラテン語の習い事の中に絵画も含まれており、アングイッソラ家の娘たちはとりわけ絵画の才能を発揮した。こうしてソフォニスバをはじめ、5人の娘たちは全員画家になることとなった。

ソフォニスバの父は娘たちに様々な習い事をさせるだけではなく、有能なマネージャーのように彼女たちの支援をしていった。娘たちに画家の才能があると分かると、ベルナルディーノ・カンピなどの有名な画家の元に娘たちを送り修行をさせた。時にはソフォニスバのデッサンをミケランジェロに送り批評を乞うなど、娘の宣伝に余念がなかった。

ソフォニスバは父の宣伝などに頼らずとも有名になる才能を持っていた。彼女の絵は評価され、20代で既にスペインのフェリペ二世の宮廷に招かれるなど、国内外で評判の画家になっていた。また当時は女性の画家自体が希少であったことも、早くして彼女が有名になる要因であった。
その後、彼女の評判を聞いたローマ法王ピウス四世は彼女にスペイン女王の肖像画を注文している。その時に法王は「あなたの(画家としての)素晴らしい才能は、あなたの数ある才能のわずかな部分にすぎない」と称賛している。

ソフォニスバは肖像画を中心に(確認できているもので)50点ほどの作品を制作したとされている。その中でも自画像は12点を数え、当時の画家たちの中では異例の多さである。ソフォニスバの最も身近なモデルは自分自身であったのかも知れない。

 

【作品一覧】
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『チェス・ゲーム』

【絵画データ】
1555年作
油彩・カンヴァス
70cm×94cm
収蔵場所 ポズナニ、ナヴロドヴェ美術館

左端の女性が姉ルチアをはじめ、3人の姉妹がチェスボードを見つめながらゲームに興じている場面。中央右の妹が手をあげている様子から、ちょうど勝負の結果がでた時だと予想される。右端にはメイドがゲームの様子を見守っている。
ソフォニスバの絵の登場人物は表情豊かであり、顔を見るだけでモデルの細かな心理が読み取れるほどである。そして、その表情を描ききるほどの優れた技術は彼女の特徴と言えよう。
また題材は風俗的であり、当時の女性画家としては珍しいものであった。これはソフォニスバが正攻法で画家としての道を歩めるほどの技量があったという事だろうか。

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『ミネルヴァ、アミルカーレ、アスドルバーレ、アングイッソラ家の肖像』 1557年

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『ソフォニスバ・アングイッソラを描くベルナルディーノ・カンピ』 1550年代後半

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『スペイン王妃エリザベート・ド・ヴァロワの肖像』 1605年

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『ソフォニスバの自画像』 1610年頃

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『フェリーペ二世の肖像』

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『王女イサベル・デ・クララ・エウヘニアの肖像』

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『カタリーナ・ミカエラの肖像』

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