『教皇パウルス三世とその孫アレッサンドロ・カルディナール・ファルネーゼおよびオッタヴィオ・ファルネーゼ』 ティツィアーノ

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『教皇パウルス三世とその孫アレッサンドロ・カルディナール・ファルネーゼおよびオッタヴィオ・ファルネーゼ』 作者:ティツィアーノ・ヴェチェッリオ

【絵画データ】
1546年作
油彩・カンヴァス
200cm×174cm
収蔵場所 国立カポディモンテ美術館(イタリア・ナポリ)

 


ローマ滞在中のティツィアーノはファルネーゼ一族と親しくなりこの未完の作品を描いた。この一族は後に政治的軋轢と陰謀により引き裂かれるが、これを描いたティツィアーノはそれに気付いてたと見られる証拠が作品内に残っている。
作中の卓上の時計は、教皇の生命の残り時間を暗示しており、教皇の表情は疲れているように見える。これは左から首を伸ばすオッタヴィオによる略奪や脅しに教皇が怯え疲れているのである。実際、1547年にパウルスの息子ピエール・ルイジ・ファルネーゼが皇帝の手先により殺害されるのであるが、そのすぐ後にオッタヴィオは自分の父の殺害の手助けと兄アレッサンドロの支持によりパルマとピアチェンツァの統治権を得ているのである。

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