隅田川花火大会を描いた浮世絵 10作品

今年も花火大会の時期がやってきました。花火大会は江戸時代から庶民の楽しみだったようで、浮世絵にも花火が描かれている作品がいくつかあります。今回は、花火が描かれた浮世絵10作品を紹介します。花火大会に行かれる方も家にいる方も江戸の花火を楽しんでください。

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『名所江戸百景 両国花火』 作者:歌川広重

花火と言えばこの作品と言えるほど有名な一枚です。広重の名所江戸百景シリーズの作品で、隅田川の花火大会の様子です。打ち上がった花火が垂れるように落ちる表現は日本人好みの儚げな美を感じます。

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『江戸自慢三十六興 両こく花火』 作者:歌川豊国

本図も隅田川の花火大会を小舟で鑑賞している図です。当時の粋な見方は遊覧船でゆったり見ることだったようで、花火大会の日には隅田川を小舟が大混雑していたようです。図の女性がお猪口を持ちながら見ているので、一杯やるもの恒例だったようです。

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『東都名所之内 両国花火』 作者:歌川広重

これも広重の作品のようですが、しゃもじの様な独特な花火の描かれ方をしています。落ちて広がるような花火と言えば「冠(カムロ)」だと思われます。
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三尺 緑小花入り錦冠菊 (参考:http://www17.plala.or.jp/hanabi-sanpo/knowledge01.htm)

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『両国夕納涼之図』 作者:歌川国貞

これも隅田川花火の図。祭りの日とあって皆おしゃれをして街に出かけるようです。高下駄を履いて揃いの浴衣を着ている姿はカッコいいです。まるでイケイケの若者の記念撮影のようですね。

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『両国花火之図』 作者:歌川豊国

これも隅田川花火大会の様子ですが、両国橋で見学する人々を描いたもの。大行列で花火を鑑賞してますが、花火に背を向けている人も多いですね。やはり出店や雰囲気を楽しむ人々も多かったようです。後ろに見える花火は四方にはじけ飛ぶように描かれており、今まさに花が開いたようです。

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『東都両国夕涼之図』 作者:歌川貞房

この作品は個性的な一枚です。打ち上がった花火がうねうねと触手を伸ばすように描かれています。個性を競い合った浮世絵師ならではの奇抜な表現ですが、花火の躍動感と楽しげな雰囲気が感じられて面白い作品です。

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『東都両国橋 川開き繁栄図』 作者:歌川豊国

手前に行き交う人々、後ろに美しい背景といった描き方は浮世絵で流行った構図です。大荷物を担いだ商人風の男や、町娘、振り向くカップル、子供を背負う女など、それぞれの人に物語を感じる一枚です。背景にはしっかりと花火と橋で見物する人々が描かれています。

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『新板浮世絵 両国橋夕涼花火見物之図』 作者:葛飾北斎

北斎の若かりし頃の作品です。北斎もやはり両国花火を題材に描いています。他の作者と違うのは、手前の出店にクローズアップするような描かれ方をしている点でしょうか。やはり花火そっちのけで美味しいものを求めて行き交う人々が描かれています。

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『江戸名所 両国花火』 作者:歌川広重

これも広重の両国花火。両国橋を中央から描いており、後ろの花火は三パターン描かれた贅沢な作品です。構図が左右対称で迫力のあるものです。対称性を崩したような描き方が多い広重ですが、橋などを描く時にたまにこういう構図を取ることがあります。

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『東都名所 両国夕涼の図』 作者:歌川国郷

これは両国花火を三枚続きで描いた大作です。両国橋の下で提灯を掲げた船がぶつからんばかりに行き交っています。舟に乗る人も満員で花火大会の人気が伺えます。背景には少しだけ花火が見えますが、この人たちはちゃんと見えているのか心配になります。

以上が花火を描いた10作品と簡単な解説です。作者によってかなり個性的な花火の描かれ方をしています。また花火を楽しみ人々も一緒に描かれていますが、今も昔も大人気だったようです。文明は発展しても日本人の美的感覚は昔から変わりないようです。

 

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