【写真】人種統合教育【ピューリッツァー賞】

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ルイビル・クーリエ=ジャーナル・アンド・ライムズ紙写真部: “人種統合教育(Busing in Louisville School)” 1976年 特集部門

アメリカ社会には根深い黒人差別の問題があった。数々の黒人が抗議し、少しずつ社会は黒人を受け入れてはいたが、決定的な違いは改善されないままであった。当時、人種差別撤廃の目的で連邦裁判所が強制バス通学を命じ、黒人と白人の生徒比率を平均化する為に学区外の学校にも通学できるようにした。しかし、強制バス通学には様々な問題があった。ある白人生徒は黒人生徒しかいない学校に転校することとなり、逆も然りであった。ある学生の親は黒人と一緒のバスには乗せることはできないと子供を学校に行かせなかったり、白人生徒と多い学校に転校してしまうほどであった。
ルイビル・クーリエ=ジャーナル・アンド・ライムズ紙写真部はこの状況を正確に世間に伝える必要があった。彼らが重要視したのは公平性であり、どちらかの主張に偏った内容の記事は書かないように努めた。そして彼らが公平の中でこの強制バス通学の問題を最も象徴的に伝える為に幾つかの写真を撮影し記事に載せた。その中の一枚が教室で白人と黒人の生徒が手を取り合う姿であった。彼らの絆には社会のしがらみや歴史的背景は無用なのであった。

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