【写真】キャンパスの銃【ピューリッツァー賞】

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スティーブ・スター(AP通信 “キャンパスの銃(War Protest at Cornell University)” 1970年 ニュース速報部門

1960年代の後半に全米で学生運動が盛んになり、反体制の学生たちがデモや暴動を繰り返していた。彼らの主張は、戦争でもあり、人種差別でもあり、貧困でもあり、社会全体の疑問へと不満が尽きることはなかった。
1969年4月、コーネル大学で問題が発生した。コーネル大学では黒人学生の受け入れを積極的に勧めており、黒人学生の要求により黒人女子学生寮も建設した。しかし、学生たちの要求はエスカレートし、以前起こした黒人学生7人の事務所破壊の暴動事件の処罰を巡って対立することになる。学生たちは黒人学生7人に対して寛大な処置をした上で、黒人研究プログラムを学部と独立させ黒人だけで運用するように要求しが学長はこの要求を拒絶した。この一連の要求を巡って学生たちは大学建物を占拠し、武力で学校をねじ伏せようと考えた。
カメラマンのスティーブ・スターはこの事件を聞きつけ、4月19日に占拠された学生会館に駆け付けた。学生たちの立てこもりは夜通し続き、建物占拠から34時間後にようやく学長が今回の出来事に関与した全ての学生に寛容な措置を行うと公表し、事件は終止符を打った。学生会館から出てきた学生は各々が銃器で武装していたが、後に彼らは、同じキャンパス内の他の学生が武装していると聞き自らの身を守る為であったと語っている。

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